77Lifeworkベータ版

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IT関係の話(ツール開発・インフラ構築)をメインとして、その他私の趣味や雑記用のブログです。ここに書いた内容が少しでも参考になれば嬉しいです。

HDD・SSDのデータを完全削除する方法

はじめに

こんにちは。今回の記事ですが、古くなったPCを中古品として売ったり、廃棄したりするときのデータ削除の方法について書いていきます。
PC内のデータは個人情報や写真など、悪用されてしまう可能性がある内容が詰まっているため、他者の手に渡る前に中身を完全に削除しておくべきです。

PCのデータ削除と言っても以下のようにいくつか方法があります。

  1. ファイルを削除(ゴミ箱へ移動)した後にゴミ箱を空にする
  2. ディスクをフォーマットする
  3. ディスクの全セクタに0やランダムビットを上書きする

1 ですが、これではファイルは完全に削除されておらず、復元可能な状態で残っています。
2 も同様で、復元できてしまう状態です。
3 について、これが現在適切とされている方法となります。
というわけで、以下では3によってデータを完全消去する方法を説明していきます。

ちなみに、以下のような商用ソフトを用いて削除する方法もあります。
比較的簡単にできますし、データ消去に関してメーカーが保証してくれているので、自分でいろいろやるのが面倒だったり心配だったりする場合は
このようなソフトを使うのもありですね。

削除対象HDDの取り出し

まず、今回削除したいのは下の画像のPC内のHDDです。
数年前に買ったNECのPCですね。現在は故障して電源が入らなくなってしまいました。
f:id:J-back:20210425204009j:plain:w600


まずはPCを裏向きにします。
f:id:J-back:20210425204218j:plain:w600


HDDを取り出すため、ネジを外していきます。
PCの分解方法は「PCの型番 分解」などで検索すると出てきます。

このPCは赤枠の部分にHDDが格納されているようなので、青枠のネジを外します。
f:id:J-back:20210425204708j:plain:w600


ネジとカバーを外したらHDDが見える位置に出てきました。
f:id:J-back:20210425205212j:plain:w600


PCと接続されているコネクタからHDDを外します。
f:id:J-back:20210425205327j:plain:w600


WD社の640GBのHDDが格納されていました。
f:id:J-back:20210425205433j:plain:w600


これで削除対象のHDD取り出しは完了です。

削除対象ディスクと操作用PCの接続

次は、先ほど取り出したHDDを別のPCに接続して認識させます。
HDDとPCの接続には、下の機器を使います。
HDDの接続コネクタ(SATA)をUSBに変換してくれるので、PC側から見ると、削除対象のHDDを外付けHDDのような扱いで認識できます。

f:id:J-back:20210425210609j:plain:w600


この部分がSATAコネクタです。
f:id:J-back:20210425210648j:plain:w600


このようにHDDと接続できます。
f:id:J-back:20210425210731j:plain:w600

操作用PCでHDDを認識

操作用PCとHDDを接続した状態で「ディスクの管理」画面を開きましょう。
「ディスクの管理」画面は以下のように、Windowsのスタートアイコンを右クリックして開くことができます。
f:id:J-back:20210427002926p:plain:w600


ディスクの管理画面を開くと、削除対象HDDがディスク1として認識されています。
ディスク0は操作用PC自体のHDDなので、いじらないようにしましょう。
f:id:J-back:20210427000546p:plain:w600


ディスク1のパーティションを右クリックして、「ボリュームの削除」を選択します。
f:id:J-back:20210427000645p:plain:w600


以下のような警告が出たら、「はい」を選択して進めます。
もともと別のPCで管理されていたボリュームなので、このようなメッセージが出ますが、どうせ削除するので気にしなくて大丈夫です。
f:id:J-back:20210427000720p:plain:w600


こうしてパーティションが削除できたら、残っている他のパーティションも同様に削除します。
f:id:J-back:20210427000952p:plain:w600


以下のようにディスク1全体が未割り当て領域になったらOKです。
f:id:J-back:20210427001037p:plain:w600


ここまでできたら、次はディスク1の未割り当て領域を右クリックして「新しいシンプルボリューム」を選択します。
f:id:J-back:20210427001137p:plain:w600


この後に出てくるウィザードにしたがってディスク1をフォーマットして、操作用PCのDドライブとして認識させます。
(ごめんなさい、ここの画像撮り忘れていました。Windows ディスク フォーマット とかで検索するとやり方出てきます。)


で、最終的に以下の状態にします。
f:id:J-back:20210427001404p:plain:w600


これで前準備は完了ですね。

削除の実行

次はいよいよ削除の実行です。
ここではWindowsに標準で用意されている「cipher」コマンドを使用します。

このコマンドは、コマンドプロンプト上で実行しますので、まずはデスクトップ左下に「cmd」と入力して検索し、
コマンドプロンプトを起動します。
f:id:J-back:20210427003010p:plain:w600


コマンドプロンプトが起動できたら、「cipher /w:d:」と入力し、Enterを押下します。
これでHDDへのビット書き込みによるデータ削除が開始されます。
「d:」の部分は削除対象のドライブを指定します。
今回は削除対象のHDDをフォーマットしたときに、Dドライブとして認識させましたので「d:」を指定してcipherを実行しています。
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削除には結構時間がかかります。今回の対象が640GBのHDDだったのですが、8時間半ぐらいかかりました。
削除の進捗は「.」でおおよそわかりますが、残り時間など詳細なことは表示されません。


削除が完了すると、以下のようにコマンドプロンプトが入力可能な状態に戻ります。
表示されているように、3回繰り返して書き込みを実施しているためすごく時間がかかりますが、
復元するのは困難な状態となっています。
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以上でHDDのデータを削除できました。

おわりに

今回はHDD・SSDのデータを完全削除する方法について書きました。
もちろん有料のソフトを使う方法や、業者に依頼する方法もありますが、各自が無料でできる方法を知っておくのも無駄ではないと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。